音源「老竹の風」

1年ほど前に弾いたもの。
私の場合即興になると、やはり箏の奏法が無意識に、いつもより沢山出て来るように思う。

それは不思議な感覚で、ピアノの鍵盤をなぞっているのだけれど、箏爪で弦を弾いているような、そんな感覚。
それから、弾いている最中に、他人事のように
「ああ、これは、風の音だな。何処に吹く風なんだろうか。そうか。竹林の中だ。若竹ではないような気がする。年月を経た、格のある老竹だ。其処に足を踏み入れる人間は、居ないのだけれど、遥か昔、此処に迷い人が訪れて…」
とだんだん話が膨らんで行く感覚がある。

その風を摑まえる為に弾いたんだな。
と、後からぼんやり、思ったりする。


この曲的なものは幾つかあって、聴いて頂いた方の感想で印象に残っているものは、
「何にも聴きたくない時に聴きたくなる」

とても嬉しかった記憶があります。

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